段階的に教える

 SEとなって、作るシステムを技術視点よりもビジネス視点で見て、各機能の重要度を理解して取り組むことは分かるし、それは正論だとは思うのですが、それをマネージャーさんが開発経験数ヶ月の継ぎ接ぎ改修しかしたことのないような初心者相手に説くというのは、いかがなものだろうと考えてしまいました。


 もちろん先の視点は重要で、100%完璧なシステムを作ろうとするのは大変で、80%で十分使えるシステムならばそれでもよく、作業の優先順位を付け取り組むことはいいんですが、開発製品の品質もイメージできないうちにそれを教えるのは良いのかと迷います。
 例えますと、100点満点のテストで、80点が合格点だから80点を目指せと教えてしまうのは良いことかと。
 

 私は、初めの内はPGも自称SEも技術偏重でも良い、と思います。
 自分の作業の完成形をイメージし、それに向かって取り組んでもらわなければ良いものは出来ません。それを目指してもらったうえで、現場での優先順位を理解しているリーダーや作業指示者が、適時その方向性に指導していくことが役目だと思います。
 例えれば、家庭教師は、5科目の合計点を挙げることを目標とし、90点の科目を100点にまで上げる勉強よりも40点の科目を70点に上げる勉強の方が簡単ならば、そちらをやるように指示します。


 初めに技術レベルを下げることを教えてしまうと、技術向上心が落ちてしまい、結局はいつまでたっても、品質の低いものしか作らない技術者にしかなりません。

 
 今、現場には派遣できた新人の方もおり、2・3開発を経験した頃から、教えていくのがいんだろうなと思いつつも、そのときに一緒の現場で働いている可能性はありません。
 成長過程で学ぶべきことは段階的に変わっていくと思いますが、技術派遣と言う立場は自分を観察し、段階的に教えてくれる人はいません。
 常に自分から学んでいかなければ行かない一方、その学ぶ方向性が正しいのかと言う保証はどこにもありません。
 ときどき、現状の自分に自信がついたまま新しい視点に変えられない人も見かけます。


 自分はかなり遠回りして学んできてますのでいろいろと教えてみるのも(それが正しいとは限りませんが・・・)いいとは思うのですが、育ちにくいし、育てにくい業種と思うこの頃です。
 あと、自分の立場にとっての正論は言えますが、相手にとって必要な正論をいえる人は少ないですね。
そういう人に出会えたことは貴重だったと思います。