経験値が残らない

 2007年問題、現場の3分1以上が「影響あり」と回答
 http://www.atmarkit.co.jp/news/200802/20/y2007.html


 2007年問題は別としても、これに関連していろいろと考えることがあるので、つれづれと。


1.モノを教えることが下手な人が多い。または教えることが上手い人が評価されない。
 まあ、仕事って稼いで何ぼってものですから、成果主義の導入もあって、個人でどれだけの利益を出せるのか、生産性が重視されます。そうした結果、人に教えることが上手い人、他人の生産性を上げることが上手い人が評価される土壌がなかなかないと思います。
 それを判断できる目や数値と言うのも難しいものですが。。。


 実力はあるけど教えることが下手な人の説明って、説明する言葉の裏にはかなり経験で培われた暗黙知があって、それを飛ばして説明するもんだから、聞く側からすると、それがわかるまでなに?という、意思疎通の齟齬が起こります。


2.会社には、教えるような経験値が残らない。
 記事の話はメーカー系なのでこんなことはないと思いますが、派遣型のIT業界なんかですと、最近はセキュリティ対策がどんどん厳しくなることもあり、自分が作成したものであっても資料等はすべて客先に残し、持ち帰ることは出来ません。
 これがあたりまえと思われつつありますが、過去の業績が感謝状くらいで、他に何も残っていない会社ってどうでしょう?
 瑕疵責任のない派遣型は、その分、知識や経験も会社には残らないと思います。
 業務経験は社員個人と経験として残るかもしれませんが、物にして残さなければ、記憶から忘れ去られていくものであり、さらに、社員の退職と共に完全になくなってしまいます。
 同じようなものを作る現場であっても、まず、同じように設計書のフォーマットから考え始める、車輪の再発明を繰り返す作業に疑問を感じることがあります。サンプルになるような過去の成果物があれば、検討も少なくなり、効率が上がると思うのですが。。。


 こう考えると、2007年問題って経験を文章として残す活動を行ってこなかったので、起きているのかもしれません。


 一方、最近の若者には、優秀な方は自分で率先して勉強してますが、それも教科書や参考書に書かれていることを記憶するだけで、人に教えを乞うことを嫌がる方もいます。
 自分で経験しなければ学べない大切なこともありますが、一人が一回経験すればいいことをみんなで何度も繰り返していては、効率も生産性も悪いままかなと思います。


 自分の失敗談も上手く伝えられる人になりたいです。