ネット実名については・・・

 弁護士の小倉秀夫氏に聞く ネットでの誹謗中傷問題(中)
実名を使うのが基本 それがネットをよくしていく
http://www.j-cast.com/2008/01/20015383.html


 匿名性のシステムとして、最も身近なものを上げるとすれば選挙があります。私が誰に投票したかなどの情報は開示されることなく、その結果当選した人が、下策な政策で日本経済を奈落の底まで追い込んでも、その責任を問われることはありません。
 それは選挙と言うものが、みんなが選んだ政策(一般に人に置き換えられているが)が一番正しいという集合知に基づいているからです。


 インターネットも、そもそもは研究者の集合知を基にしたシステムであり、それを経済活動に取り入れたところで、やれ著作権がどうだとか誹謗中傷がどうだとか言われるようになってしまいました。


 インターネットが実名制制度を備えたものであれば、それは旧来のパソコン通信と変わらず、ここまで発展することはなかったと思います。
 私個人の仮定ではありますが、集合知の発生する場を作るのは、匿名性と言う環境が必要かもしれません。
 匿名性の話題になると誹謗中傷問題が一番に取り上げられますが、それは道徳とか、国民のストレスとか言う問題であり、実名制制度で解決するのは臭いものには蓋をすると言う程度の解決策しかないでしょう。
 まずは、実名を上げている人が道徳の見本となる態度を見せるのがいかがでしょうか?


 結局、実名制制度にしたら、かなりの文化的発展が失われると思います。
 それが誰の金にもならないからいらないよという経済的視点だけで見るのであれば、切り捨てる判断もされるでしょう。
 そういう意味で、NGN(次世代ネットワーク) は匿名性じゃないと思ったので、あまり期待していないのですが、企業ベースではどれほど期待しているものなのか気になるところです。
 個人的には商用ベースは実名制、集合知は匿名性という、別々のネットワークでやるのがいいのかなと。今の環境で、実名制ネットワークに移る気はさらさらありませんが。。。


 で、ネット実名制問題が、このように反論できる発言ばかりならばいいのですが、去年、
 「インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門 白田秀彰(著)」
を読んだら、実名制の必要性について素直に納得出来てしまい、反論できずに困っています。
 反論できずに困っていると言うことで、自分は実名制は嫌なんだという、感情論を根底にこの問題を見ていると言う再認識は出来たのですが、論破できないことには気になって1日24時間も眠れません。


 法は専門じゃないので、誰か匿名性の必要性を具体的に教えてくれる人いないかなぁ。。。